ここ一週間ぐらい、変なネタで小説が書けないとネタをいじくり回していた。
それが下記の『たった2人の旧ライトノベル帝国の逆襲(仮題)』だ。
商業出版はほぼ不可能であるのと同時に、どこかの新人賞に応募して選考委員の笑いを取ることも難しそうであるため、ボツにすることを決心した。
でも、そのまま僕の頭の中で忘却させてしまうのはもったいないので、ここに書き残しておこうと思う。
先に書いておくが、びっくりするぐらいくだらないので、読む人はそのつもりで……。
以下、あらすじである。
『たった2人の旧ライトノベル帝国の逆襲』(仮)
舞台は、ライトノベルに登場する「力」を持つ能力者たちが住む街。
「現代ライトノベルは軟弱だ!」
そう宣言したのは、矢神遼(麻生俊平著『ザンヤルマの剣士』主人公)の力を持つ少女Aである。
彼女は相棒の少年B(能力未定)とともに、旧ライトノベルの力を持つ能力者を集め、現代ライトノベルの力を持つ能力者たちに宣戦布告を行う。
「こいつを放っておくとやばい」という理由により、真っ先に上条当麻(鎌池和馬著『とある魔術の禁書目録』主人公)を物理攻撃により抹殺する旧ラノベ帝国。
他の現ラノベ能力者も、次々と抹殺していく。
しかし旧ラノベ能力者にも問題がある。
リナ・インバース(神坂一著『スレイヤーズ!』主人公)は呪文が長すぎて覚えられない。
オーフェン(秋田禎信著『魔術士オーフェンはぐれ旅』主人公)の能力者は格闘術が再現できないため使い物にならない。
山本洋子(庄司卓著『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』主人公)は扱う兵器が存在しない……。
少女Aと少年Bは手段を選ばずに戦い、なんとか現ラノベ能力者たちを始末し、旧ラノベ能力者の勝利を宣言しようとしたその時――
それまで沈黙を保っていた羽月莉音(至道流星著『羽月莉音の帝国』主人公)の能力者が建国を宣言、1京を超える部費を武器に、あっさりと少女Aと少年Bを組み伏せる。
――了――
同人誌にならできるだろうか……。
Flicker
2014年10月29日水曜日
2014年10月19日日曜日
山本弘『プロジェクトぴあの』感想
面白かった。
帯に「山本弘ワールド全開!」と書いてあるとおり、僕の頭の中にある「山本弘さんらしさ」を存分に詰め込んだ作品だった。
特に第二種永久機関装置「みらじぇね」のエピソードは最高だ。
アイドルのコンサートに行ったら、お土産として彼女が発明した小さな永久機関装置をもらえて、コンサートを楽しんだあと家でそれを動かしながら彼女に想いを馳せることができるのだ。
そんなアイドルがいたら、そりゃ夢中になるだろう。
ファンにお土産として配った理由は、それをそのまま「永久機関装置ができました」と発表したって世間に相手にされないからだ。
説明なしに受け取ったファンがその原理を解明して論文を発表するのを待つ、って寸法。
論文を書いた猪口裕人、いいよなあ。
コミケで自分のサークルスペースにアイドル本人が同人誌(論文)を買いに来てくれて、そのあと天才科学アイドルから最高級の「ご褒美」をもらうんだよ。
彼は、この作品内で唯一「ご褒美」をもらったキャラじゃないかな。
そりゃ悶絶するさ。
彼女の歌の一曲「ほんの62マイルが」もいい。
作中で詳しい歌詞や曲調は紹介されないけれど、曲に込められた想いは語られている。
一番グッとくる曲名だった。
さて。
この作品は、強烈な一文から始まる。
<ようこそ旧人類ども。>
なお、「旧人類」は「うすのろ」と読ませる。
天才理系アイドル・結城ぴあのは、自らを突然変異体(ミュータント)と称しているから、彼女を「新人類」と位置づけているのだと思う。
人の気持ちを理解できず、愛するという意味がわからない。
でもすごく頭がよくて、自宅のガレージで核融合実験をしたりする。
セックスには興味がないし、持つつもりもない。
(性欲があるかどうかについては、触れられなかった)
そんな彼女の相棒にして語り手の「すばる」は男の娘で、かなり特異なキャラだけど、ぴあのほど変わっている訳じゃない。
これは、新人類と旧人類の物語な訳だ。
『地球移動作戦』を読んだ人は物語のラストを知っている訳だけど、まあ一応ここでは書かない。
しかし、ぴあのは旧人類のことをどう思っていたのだろう。
この作品には愚かな旧人類がたくさん出てくるのだ。
それは彼女が目的を達成する最後まで立ちふさがる。
すばるは彼女の理解者だったけど、ラストに格好良く振る舞うことはできなかった。
作中で格好良く振る舞えたのは青梅秋穂ぐらいかな?
最初から最後まで格好いい旧人類は、いなかった。
ぴあのの旧人類に対する感想は
「やっぱりこんな程度か」
ぐらいだろうか。
「所詮こいつらは全員箪笥か」
だったら嫌だな。
ぴあのの最後の台詞は、彼女がすばるに譲歩したようにも感じた。
あれは成長なのか、堕落なのか。
新人類ぴあのにとって、旧人類すばるだけは、少し特別な存在であったと信じたい。
帯に「山本弘ワールド全開!」と書いてあるとおり、僕の頭の中にある「山本弘さんらしさ」を存分に詰め込んだ作品だった。
特に第二種永久機関装置「みらじぇね」のエピソードは最高だ。
アイドルのコンサートに行ったら、お土産として彼女が発明した小さな永久機関装置をもらえて、コンサートを楽しんだあと家でそれを動かしながら彼女に想いを馳せることができるのだ。
そんなアイドルがいたら、そりゃ夢中になるだろう。
ファンにお土産として配った理由は、それをそのまま「永久機関装置ができました」と発表したって世間に相手にされないからだ。
説明なしに受け取ったファンがその原理を解明して論文を発表するのを待つ、って寸法。
論文を書いた猪口裕人、いいよなあ。
コミケで自分のサークルスペースにアイドル本人が同人誌(論文)を買いに来てくれて、そのあと天才科学アイドルから最高級の「ご褒美」をもらうんだよ。
彼は、この作品内で唯一「ご褒美」をもらったキャラじゃないかな。
そりゃ悶絶するさ。
彼女の歌の一曲「ほんの62マイルが」もいい。
作中で詳しい歌詞や曲調は紹介されないけれど、曲に込められた想いは語られている。
一番グッとくる曲名だった。
さて。
この作品は、強烈な一文から始まる。
<ようこそ旧人類ども。>
なお、「旧人類」は「うすのろ」と読ませる。
天才理系アイドル・結城ぴあのは、自らを突然変異体(ミュータント)と称しているから、彼女を「新人類」と位置づけているのだと思う。
人の気持ちを理解できず、愛するという意味がわからない。
でもすごく頭がよくて、自宅のガレージで核融合実験をしたりする。
セックスには興味がないし、持つつもりもない。
(性欲があるかどうかについては、触れられなかった)
そんな彼女の相棒にして語り手の「すばる」は男の娘で、かなり特異なキャラだけど、ぴあのほど変わっている訳じゃない。
これは、新人類と旧人類の物語な訳だ。
『地球移動作戦』を読んだ人は物語のラストを知っている訳だけど、まあ一応ここでは書かない。
しかし、ぴあのは旧人類のことをどう思っていたのだろう。
この作品には愚かな旧人類がたくさん出てくるのだ。
それは彼女が目的を達成する最後まで立ちふさがる。
すばるは彼女の理解者だったけど、ラストに格好良く振る舞うことはできなかった。
作中で格好良く振る舞えたのは青梅秋穂ぐらいかな?
最初から最後まで格好いい旧人類は、いなかった。
ぴあのの旧人類に対する感想は
「やっぱりこんな程度か」
ぐらいだろうか。
「所詮こいつらは全員箪笥か」
だったら嫌だな。
ぴあのの最後の台詞は、彼女がすばるに譲歩したようにも感じた。
あれは成長なのか、堕落なのか。
新人類ぴあのにとって、旧人類すばるだけは、少し特別な存在であったと信じたい。
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