Flicker

ラベル 本 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 本 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年10月19日日曜日

山本弘『プロジェクトぴあの』感想

 面白かった。
 帯に「山本弘ワールド全開!」と書いてあるとおり、僕の頭の中にある「山本弘さんらしさ」を存分に詰め込んだ作品だった。

 特に第二種永久機関装置「みらじぇね」のエピソードは最高だ。
 アイドルのコンサートに行ったら、お土産として彼女が発明した小さな永久機関装置をもらえて、コンサートを楽しんだあと家でそれを動かしながら彼女に想いを馳せることができるのだ。
 そんなアイドルがいたら、そりゃ夢中になるだろう。

 ファンにお土産として配った理由は、それをそのまま「永久機関装置ができました」と発表したって世間に相手にされないからだ。
 説明なしに受け取ったファンがその原理を解明して論文を発表するのを待つ、って寸法。
 論文を書いた猪口裕人、いいよなあ。
 コミケで自分のサークルスペースにアイドル本人が同人誌(論文)を買いに来てくれて、そのあと天才科学アイドルから最高級の「ご褒美」をもらうんだよ。
 彼は、この作品内で唯一「ご褒美」をもらったキャラじゃないかな。
 そりゃ悶絶するさ。

 彼女の歌の一曲「ほんの62マイルが」もいい。
 作中で詳しい歌詞や曲調は紹介されないけれど、曲に込められた想いは語られている。
 一番グッとくる曲名だった。

 さて。
 この作品は、強烈な一文から始まる。
<ようこそ旧人類ども。>
 なお、「旧人類」は「うすのろ」と読ませる。
 天才理系アイドル・結城ぴあのは、自らを突然変異体(ミュータント)と称しているから、彼女を「新人類」と位置づけているのだと思う。
 人の気持ちを理解できず、愛するという意味がわからない。
 でもすごく頭がよくて、自宅のガレージで核融合実験をしたりする。
 セックスには興味がないし、持つつもりもない。
(性欲があるかどうかについては、触れられなかった)
 そんな彼女の相棒にして語り手の「すばる」は男の娘で、かなり特異なキャラだけど、ぴあのほど変わっている訳じゃない。
 これは、新人類と旧人類の物語な訳だ。

『地球移動作戦』を読んだ人は物語のラストを知っている訳だけど、まあ一応ここでは書かない。
 しかし、ぴあのは旧人類のことをどう思っていたのだろう。
 この作品には愚かな旧人類がたくさん出てくるのだ。
 それは彼女が目的を達成する最後まで立ちふさがる。
 すばるは彼女の理解者だったけど、ラストに格好良く振る舞うことはできなかった。
 作中で格好良く振る舞えたのは青梅秋穂ぐらいかな?
 最初から最後まで格好いい旧人類は、いなかった。
 ぴあのの旧人類に対する感想は
「やっぱりこんな程度か」
 ぐらいだろうか。
「所詮こいつらは全員箪笥か」
 だったら嫌だな。

 ぴあのの最後の台詞は、彼女がすばるに譲歩したようにも感じた。 
 あれは成長なのか、堕落なのか。
 新人類ぴあのにとって、旧人類すばるだけは、少し特別な存在であったと信じたい。

2013年9月17日火曜日

『リア充ごはん』のおかげでリア充になれそう

著者 : COSMIC FORGE
ワニブックス
発売日 : 2013-03-29

 元々同人誌として頒布された『リア充ごはん』を書籍化した物です。
 ネットで話題になっていたことを思い出し、購入しました。
 購入の際にAmazonレビューを見たのですが、人気のわりに、異様に低く評価されていた。
 Amazonでの、こういう『人気商売の品』の低評価は気にしない主義なので、迷わずポチリ。
 では以下より紹介。

■女の子が可愛い。
 イラストがたくさん使用されているので、「表紙の女の子、可愛い!」と思ったなら、間違いなく損はしない。
 でも、これは料理レシピ本。
 そこはお忘れなく。

■手順が事細かに書かれている。
 初心者に優しい。
 野菜の切り方説明どころか、調理器具の説明もある。
 写真も多用されており、理解しやすい。

■ただしズボラ飯ではない。
 「ちょっと一手間かけて、ちゃんとした料理が食べたい」という料理初級者を対象に作られている。
 上級者向けではない。
 本当にまったく手間をかけずにごはんを作りたい人にも合わない。

■料理本としては高価。
 載ってるレシピは24種類。
 分類は『夕食』、『ランチ』、『酒のつまみ』。
 それだけ。
 本気で料理を勉強したいなら、別の本を買った方がいい。

■まとめ。
 元々同人誌として作られただけあって、アイデア勝負の本ですね(「アイデアに満ちた料理が載っている」という意味ではなく「本の企画がアイデアに満ちている」)。
 デザインはシンプルだから読みやすい。グッドです。
 とりあえず、今晩は『速攻焼きうどん』にしよう。

2013年7月17日水曜日

天使の救済…『純潔のマリア』/石川雅之

 これは真剣に書かねばなるまい。
 なお、私は連載を読んでいない。コミックスになってから読んでいる。だからまだ結末を知らない。そこんとこよろしく。

 この漫画の舞台は、イングランドとフランスがドンパチやってた百年戦争時代。
 マリアはフランスに住む魔女だが、戦争その物を嫌っており、ぶっ潰したいと思っている。
 そこで夜な夜なサキュバスを放って指揮官を骨抜きにし、大きな戦が起こらないようにしていた。
 しかし、マリア自身はカトリックが崇拝する処女だ。依頼にやってくる通信兵の青年に惚れているが、告白すらできないガキだ。
 だが魔力はバツグンに強く、いつも両軍の戦に乱入して台なしにしている。
 その行為は世界の理(ことわり)を乱す――天界がそう判断し、大天使ミカエルに監視されている。
 ミカエルがすぐにマリアを制裁しない理由は、マリアの周囲にいる人間があまりにも彼女を好いているからだ。
 そこで「マリアが純潔を失った時、魔力を失う」という拘束を受けることになる。

 というのを説明するのが第1巻。
 さて、問題は次の第2巻だ。

 マリアの元にミカエルの使い・エゼキエルが使わされる。監視役だ。
 しかし、マリアはエゼキエルの目を盗んでは力を揮う(どのように目を盗むかは、問題ではない)。
 そしてエゼキエルは知っていく。
 神の元に平等である人間たちが、いかに不平等な生活を送っているか。
 天界が人間を『平等』にするため、どれだけの『不幸』を見殺しにしているか。
 少なくとも、マリアの行為は人間たちを幸せにしている。ごく一部だが。
 エゼキエルたちに取っては、自分の目の前の子どもに、足下に花が咲いているのを教えることすら不平等を生む愚行だ。
 「敬虔ではないとしても、あの者の行いそのものは断罪に値するのか悩ましいのです」
 ついにエゼキエルはそう疑問を持ってしまう。
 そして、次にマリアが力を使った時は、殺すように命令を受けてしまう。
 エゼキエルはどうするか。
 マリアが力を使わないように、彼女に届く依頼の手紙を焼いていくのだ。

 この2巻が、べらぼうに気に入った。
 2巻は、ほぼ完全にエゼキエルが主人公だ。
 さっきもちょっと書いたけど、作者であるの石川雅之さんは、多分「マリアがいかにしてエゼキエルの目を盗むか」などの細かいポイントには全く興味がない。描こうと思えば面白いエピソードを描くこともできるだろうけど、一切しない(氏の実力は『週刊石川雅之』などで実証済みだ)。
 石川さんが描こうとしているのは、マリアと接することでエゼキエルの心がいかに変わっていくかだ。
 第2巻のラスト、マリアが止めようとする大きな戦争の描き込みは、いつにも増して凄まじい。正気の沙汰ではない。氏は基本的にアシスタントを使わないのだが(Ustreamで作画風景を配信している)、とてもそうは思えない。
 ミカエルの命令には逆らえず、戦場の上空で力を揮おうとしたマリアを、エゼキエルは貫いてしまう(彼女は槍なのだ)。
 どうやら致命傷は外したらしいのだが(推測)、エゼキエルの心中は察してあまりある。
 マリアの思考に同調してしまい、しかし天の命令には逆らえず、彼女を殺さねばならないのに、殺し損ねた。
 もはや地上にも天界にも、彼女の味方はいない。

 と書いているところを読めば解るだろうけど、もはや僕はこの物語の主人公がマリアなどとは思っていない。
 完全にエゼキエルに感情移入してしまっている。
 エゼキエルがいかにして救われるか。それを見届けたい。
 この漫画は第3巻で完結するらしい。
 すごく楽しみだ。

ひと狩り行こうぜ!『山賊ダイアリー』/岡本健太郎

 荒川弘さんの『銀の匙』がアニメ化され、ちょっとブームになりつつある(?)自給自足ライフ。
 農家を始めるのは大変だけど、猟師ならそこそこ簡単になれるのでは……などと考える人はそんなにいないだろうけど、そんな方にオススメがこちらの漫画。

 主人公の岡本さんは猟師兼漫画家。
 のっけから兎のフンを食ってその不味さに吹き出していますが、食えるそうです、兎や鹿の糞(新鮮なら)。びっくりですね。
 岡本さんは主に空気銃で猟をしています(もちろん所持許可を持っている)。
 兎や鳩、蛇などを狩って、狩った獲物は料理して食べていますが、イノシシは1頭100万円以上で売れるそうです。あっ、今、目の色が変わりましたね?
 空気銃で大物を狩るのは難しいので、罠も使っています(もちろん免許を持っている)。しかしイノシシなどを仕留める時は『撲殺』です。生っちょろい覚悟ではできません(岡本さんも一瞬「逃がしてしまおうか?」と考えたようです)。
 自分が食う物は自分で狩る――。理屈では解っていますが、漫画を通して描かれる猟師生活は、同じ時代を生きているとは思えません。新しい価値観に出会った感じです(いや、ほんのちょっと前まで、こんな生活が普通だったはずなんですけど)。
 読めばカルチャーショックを受けることは確かです。
 これを「残酷だ」と感じるなら、肉を食うのをやめて倫理的菜食主義者になるしかありません。私たちが食っている肉は、誰かが仕留めてくれた肉なのです。

 そんな漫画なのですが、絵はさらっと描かれていて、エグいシーンはありません。女性でも読みやすいと思います。
 ぜひ。

2013年7月15日月曜日

『ヴォイニッチホテル』/道満晴明


 作者がしばらくお休みされるということなので、一番好きな本を紹介。
 道満清明さんの漫画は、基本的に『かわいい女の子』と『下ネタ』と『マニアックなオタネタ』できてるのですが――って、いきなりこの組み合わせはマズイ気がしてきた……。

 小国・ブレフスキュ島のホテルに長期滞在している男・クズキと、ルームメイドのエレナの関係を中心に、島のことが描かれていく。
 エレナの右目が義眼である理由や、ベルナの身体が傷だらけの訳、島にやってきた暗殺者の目的、違法薬物を栽培している女たちの顛末……話題はコロコロ変わり、飽きさせない。
 「ページ数をかけて、じっくり語って欲しい」という人には向かない内容で、パラパラと断片的な情報を頭の中でつなぎ合わせて世界を構築していくのが好きな人なら、納得されるかと。
 しかし『インド人を右に』のネタは、もう通じないだろう、さすがに……なんでこんな飛び道具が出てくるんだよ、イマドキ。

 あー……とにかく、そんな道満さんですが、この漫画では下ネタを最小値に抑えています。苦手な人もご安心下さい。
 多分。
 あと、結構メルヘンチックな恋愛も描かれたりします。
 これは本当。
 表紙イラストを見て「可愛いな」と思ったら、迷うことなく買ってよし。

SF日常コミック『第七女子会彷徨/つばな』


 女子高生たちの日常ほのぼの漫画。
 ただし未来世界だけどな!
 まあ、すごい技術が進んでも人間の欲望は大して変わらない訳で。
 死んだら行ける『デジタル天国』とかが日常化しているあたり、楽しい。
 「マニアックな内容だから、すぐ終わっちゃうかな」なんて不安もはね除け、ちゃんと連載が続き、ついにコミックスの六巻が発売に。
 今より、モリモリ読みます。


2013年4月1日月曜日

ハヤカワSFコンテストに4本応募した

 かの法則に従うならば、私の作品の9割は駄作なので、できるだけたくさん応募してみた。

P3260482.JPG

 1割ぐらいは、読む価値のある作品になってるといいな……。
 この4作、思いついた時は「傑作だな!」と思ったのですが、書いていくうちに「あれぇ? なんかイマイチだな」になり、最終的には「まあ、ネタの出し惜しみをして来年の4月まで後悔する日々を続けるよりはマシか……」という、『作家を目指す奴あるある』状態に陥りました。

 さて、しばらくは小説を書かずに本を読みまくることにします。
 積ん読本もたまってるしね。
 今、楽しく読んでいるのはこれ。


 僕は、実は新城カズマさんの文体は苦手なのだけど、物語はすごく好き。
『蓬莱学園の魔獣!』(当時は新城十馬名義)は未だに読み返すことがあるぐらい好き。
 新城さんの作品がなかったら、ラノベ風SFを書こうとすら思わなかったかも。

2013年3月30日土曜日

『クラシックカメラ少女+1』/編集:かつゆー


 そのタイトル通り、『クラシックカメラと女の子』をモチーフにした画集。
 いわゆる萌え系かと思いきや、中身はガチ。
 こんな女の子おったら惚れるわ。
 ただし、イラストだけで写真はなし。
 やはり実物を手に入れることが難しいからかな?
 自転車だったら、これみたいにみんな愛車を持ってるんだろうけどね。

 でもいい本です。
 眺めてて飽きないので。

『東京シャッターガール 1』/桐木憲一

 東京のスポットを巡りながら写真を撮る女の子の話。
 こんな場所を巡りながら写真を撮ったら楽しそう。


 背景が描き込まれていて綺麗なんだけど、キャラも結構描き込まれているので、ちょっとコマの中がゴチャッとした印象。
 もったいない。
 キャラは、もうちょっとディフォルメしてもよかったんじゃないかな。

 でも読むけどね。

2013年3月29日金曜日

素敵な写真集『世界の夢の本屋さん』

 そのタイトル通り世界の美しい本屋さんが紹介されています。
 もちろん写真が大きく載っているのも嬉しいけれど、その書店で働く店員のインタビューも読み応えあり。
 2巻の表紙を飾った本屋『エル・アテネオ・グラント・スブレンディッド』は劇場を改造した本屋。一度は訪れてみたい。
 ちょっと値段は高いけれど、本屋好きならば絶対に満足する出来。
 いつかこんな本屋が日本にも出来たらなぁ、と夢想してしまいます。

 Amazonで試し読みも出来るので、ちょっと読んでみてほしい。
 一見する価値はあるよ。

2013年3月28日木曜日

『彼とカレット。』/tugeneko

アスキー・メディアワークス
発売日:2013-03-27



 アパートに住む男子大学生・イケダの元に、アンドロイドの女の子・カレットさんが派遣されることに。
 ――というあらすじを書くと、なにやらアレゲな話になるのかと思われる方もいるだろうが、基本的に男がカレットさん含め女性キャラに変態行為を働いては殴り倒される4コマ漫画。
 フルカラーで、なかなか豪華ですが、肌色はほとんど出ないのでそれを期待して買おうという方は気をつけるように。
 過激な下ネタやお色気シーンはないから、お父さんお母さんは安心して子どもに買ってあげてね!

『少女自転車解放区』イラスト&写真集


 アニメ・漫画関係者たちが自慢の自転車を紹介する。
 写真はもちろんだが、彼らの個性的な愛車のイラストには愛がたっぷり。
『女の子と自転車』というコンセプトもいいね。
 自転車に興味がなくても、好きなクリエイターさんが参加していたら、買って損はなし。
 女の子可愛いし。


参加者

 村田蓮爾さん、加藤アカツキさん、安倍吉俊さん、高坂希太郎さん、鬼頭莫宏さん、黒田硫黄さん、あさりよしとおさん、有馬啓太郎さん、okamaさん、たかみちさん、前田真宏さん、山田秀樹さん、平田智浩さん、中野友和さん、森見さん、明日さん、廣岡政樹さん、はしもとしんさん、天風さん、光成さん、片貝さん、文洋さん、橋本正枝さん、米山ともこさん、濱元隆輔さん、堀元宣さん、道満晴明さん、toi8さん、バターナッツさん、佐藤みーこさん、前田浩孝さん、TOKIYAさん、尾崎智美さん、長澤真さん、那辺流さん、白亜さん、右月さん、しろさん、緒方剛志さん、今泉昭彦さん、三輪士郎、 田代ほけきょさん、りょーちもさん、小林誠さん。

『紅殻のパンドラ』/六道神士・士郎正宗


 全身義体(いわゆるサイボーグ)の技術が発展途上の世界が舞台。
 あの『攻殻機動隊』の士郎正宗さんが原案、ギャグが得意な『エクセル・サーガ』の六道神士さんが作画を担当している。
 士郎正宗さんの漫画に詳しくない人は、ライトすぎてガッカリするかも(士郎先生はライトな漫画も上手い)。
 絵はかわいいし、いかにもSF的な絵もあり、義体ものの入門書としてはかなりいいと思う。
 なにより『義体もの』などというSF的な設定のコメディ漫画が平然と出版され、しかも売れる世の中になったことに驚きを禁じ得ない。

2013年3月26日火曜日

『事件記者トトコ! 1巻』/丸山薫


 これは! これはオススメせねばなるまい!!
 まだ1話しか読んでないけどな!

 内容は、新米の女性新聞記者が繰り広げるドタバタコメディ。
 のようだ(なんせまだ1話しか読んでいないので)。
 しかし、そんなことはどうでもいい。
 この表紙を飾っているトトコは、漫画の中でも可愛い。

 スクープは全く取ってこれないくせに
 上司に可愛がられ、
 食いっぷりは半端なく、
 幼児体型で、
 落ち着きがなく、
 集中力もなく、
 珍しく大人しいと思ったら居眠りしている。

 なんだこの可愛い生き物は!
 俺もなにか食わせてやりたい!!
 きっとよく訓練された犬のように俺の手から取って食べるに違いない!!!

 表紙を見て「ああ、可愛いなぁチクショウ!」と思ったなら、間違いなく買いだ。

2012年9月15日土曜日

うつ病の時に読める本

 うつ病で一人寝ている時……とても虚しい時間……。
 その空白を埋めてくれる本を紹介したいと思います。
 「うつ病の時に本なんて読めねぇよ!」とみなさんお思いでしょうが――と言うか私も読めませんが――ある程度症状が軽い時は読めるんですよ。
 そんな、ちょっと調子がいい時に読むことをオススメする本たちです。


■『スカイ・クロラ』シリーズ/森博嗣
 この世界では戦争が行われている。
 戦闘機乗りはみんな子どもで、大人にならない『キルドレ』。
 彼らは純粋で、真っ直ぐで、大人になるなんてまっぴらだと思っている。
 空に上がってきたなら、敵も味方も同じ。尊敬する、腕を競う仲間。
 ただ、自分が磨けたかどうかは他人を撃墜しないと判らない。
 人々はそこに自分たちにはない異質なものを感じるだろう。
 でもそれは本人たちにとっては、単なるシンプルな『生き方』に他ならない――

 特にオススメは『ナ・バ・テア』と『ダウン・ツ・ヘヴン』。
 彼らの純真さは、読む者の心に穏やかさを与えてくれる。
 戦闘シーンも多いが、読んでいてエキサイトすることはない。
 あるのは、ただ、静かな畏怖の念。
 読後は枕元に置いておくだけでうつの症状が軽減する気がする。





■『ペンギン・ハイウェイ』/森見登美彦
 小学生の「僕」は研究熱心な子ども。
 宇宙についても興味があるし、ロボットだって作ったことがある。でも、まだ海に行ったことはない。
 歯医者のお姉さんといつか一緒に行く約束をしているが、まだ果たせずにいる。
 ある日、お姉さんは僕に秘密を打ち明けてくれた。
 お姉さんは、魔法のように物をペンギンに変えることができるのだ。
 「この謎を解いてごらん」
 僕のお姉さんについての研究が始まる――

 お馴染みの森見節が子どもの皮をかぶった途端、愛らしくなってしまうのは何故だろう。
 短い文章の連なりで書かれているので、疲れたらすぐにきりのいいところで休憩できるのもいい。
 そして読み終えた後は表紙がとてつもなく愛おしい。
 撫でたいのだが、白さが美しくてためらってしまうのが難点。




■星新一
 説明不要。
 ショートショートの神様。
 いつでも読めていつでも読むのをやめられる。




■『暴れん坊本屋さん』『番線』/久世番子
 漫画家・久世番子は、本屋でバイトをしている。
 なぜか?
 本を愛しているから!
 そして漫画だけじゃ食っていけないからだ!

 本屋・出版業界のぶっちゃけ裏事情エッセイ漫画。
 うつ病になっても本を読もうなんてぐらい奇特な人なら読んでおいて損はない。
 オススメの話は『番線』で東京創元社に行く話かな。
 校正さんの仕事内容がよくわかります。
 あと、本屋でよく俺の前に並んで間違ったタイトルを注文してるお前!
 立ち読みして俺の買う本を傷つけるお前!
 これ読んで反省しろ!!
 最後に番子さん、仕事増えておめでとうございます。新装版出るの知りませんでした。




■『3月のライオン』/羽海野チカ
 桐山零。C級1組五段17歳。職業、プロ棋士。

 うつ病の時は、弱い主人公を見ていると自分を思い出して辛い。
 桐山零も弱い。
 友達もいない。
 将棋の腕は確かだが、いつでも勝てる訳ではない。
 そんな彼が『哀れ』に見えないのは、羽海野チカの筆力による産物だろうと思う。
 棋士として成長していくところも面白いが、彼がゆっくりと『日常』を手に入れていく姿もいい。
 だから将棋に興味がなくても大丈夫。
 日常生活もたっぷり描かれているので、その部分だけでも楽しめる。

 ただ、いじめの話は、怖かったな。
 作品が壊れちゃいそうで。
 でも、見事に着地させた。
 羽海野さんの描く作品はいつも危うさが含まれている。
 ちなみに、自分が一番好きなのは自称・桐山の親友にしてライバルの二海堂。
 桐山には勝てず、しかし精神的には彼よりも高みにいる彼が好きだ。
 負けたくない――その一心で将棋を打っている彼が好きだ。





■『ドクター・ラット』/ウィリアム・コッツウィンクル
 ごめん、嘘。
 体調悪い時になぜか一気読みして更に体調悪化した。
 気が狂ったような気分になれること請け合い。




 最近ではこんな感じ。

2012年5月26日土曜日

「こんな意味の言葉を使いたい」と思った時に使う辞典

ブログやTwitterで、誰もが自己表現を行う時代。
 でも文章を書いていたら、同じ言葉が重複したり、「大体こんな意味の表現を使いたいんだけど、言葉が思いつかない」って時、ないですか。

 そんな時に役に立つのが、類語辞典です。

 類語辞典と言えば、やっぱり『角川類語新辞典』。



 現代日本語五万語を分類してある。
 作家の森見登美彦さんは、小津のことを執筆するにあたってこれで「傲慢」を調べ、その語に連なる「横柄」「不遜」「居丈高」「尊大」……などを調べて遊んでいるらしい(働いているのか遊んでいるのか謎である)。
 便利である。

 ちなみに私が使っているのは『類語国語辞典』。



 『角川類語新辞典』に収められた現代語を中心に新語・連語2000余語を加えた分類語彙辞典。
 索引で調べたい言葉を探し、示されたページにいくと類語が並んでいる。
 とても使いやすいところが気に入っている。
 ただ、カバーはちょっと国語辞典っぽくないけど。

 作文でも活用できるので、学生さんにもオススメ。
 まさに「一家に一冊」の辞典である。

2012年5月25日金曜日

NUboard(ヌーボード)の感想を

ノートタイプのホワイトボード「NUboard 新書判タイプ」が届きました。
 さっそくレビュー。

RIMG0700.JPG

 まず大きさ。
 新書サイズの本『名被害者・一条(仮名)の事件簿』と比べてみました。
 ばっちり同じ大きさです。
 あ、横にあるのは『ZWILLING J.A. HENCKELS ネイルクリッパー』と『Amazonベーシック USBメモリー 32GB グレーブルー』です。特にAmazonのUSBメモリは安くてオススメです。

 いや、それはおいといて。
 裏側。

RIMG0701.JPG

 シンプルなノート型ですね。

RIMG0704.JPG

 見開きはこんな感じ。

RIMG0702.JPG

 ひょいひょい、とペンで落書き。

RIMG0703.JPG

 もちろん、簡単に消せます。
 汚れカスが気になってきたらティッシュで拭き取れば大丈夫です。

RIMG0705.JPG

 付属のペンは、まあまあ文字も書きやすい。
 文章は『名被害者~』の名台詞より抜粋。
 「ああ、     さえなければ、お兄ちゃんは理想の男性なんですけどねえ」

RIMG0706.JPG

 写真では見にくいですが、透明なフィルムが見開き1ページに1枚、ついています。
 これにも文字を書いたり消したりできます。

RIMG0707.JPG

 こんな風に上に重ねて表示することも可能。
 「ああ、おちんちんさえなければ、お兄ちゃんは理想の男性なんですけどねえ」

 なかなか使ってて楽しいですね。
 「使っていて楽しい」というのは、よい文房具の重要な要素だと思うので、大切にしたいです。

 それにしても、こんな文章を思いつく山本弘さんは変態だ天才だと思います。

2012年5月20日日曜日

『人類は衰退しました ようせい、しますか? 1』/吉祥寺笑



 知らぬ間に漫画化されてたんですね。
 『人類は衰退しました』とは、田中ロミオさんのライトノベルです。

 人類が衰退の一途を辿り、代わりに妖精さんたちが繁栄している世界。
 新人類・妖精さんと旧人類・人間の間を取り持つ調停官である女の子「私」が主役です。
 紙と輪ゴムだけで人類の進化をトレースしたり、孤島で文明の発生から消滅までを描いたりする、萌えとかエロとかとは無関係なSFギャグです。
 今時珍しいライトノベルですので、コミック版が気に入ったら原作もぜひどうぞ。
 かるーい文体で、少し不思議な内容の話が一杯詰まってますよ。

 ちなみにアニメ化も決まってます。
 放送は間もなく開始です。




 せっかくなんで新イラストバージョンを宣伝。
 旧バージョンは、最初の方はイラストが凝ってて後になると切羽詰まってる感があったのですが、新バージョンは巻を追うごとに熟れてきている感じがしますね。
 旧バージョンはもう在庫が少ないので、「どうしても旧バージョンのイラストで欲しい!」という方は急いで下さい。

 あと、アニメのOP・EDのCDが既にAmazonで予約開始されててびびった。

2012年4月21日土曜日

自転車はここを走る!



 Amazonで在庫がたくさん残っていたので。
 この本は疋田智さんと小林成基さんが、「自転車は道路のどこをどう走るべきか」を語っている本です。
 道路の実例がたくさん載っているので、初心者向け。
 しかもこの本には「道交法に従っていると危険なので、法律的にはグレーゾーンだがここはこう走った方が安全」ということも書かれているので、実践的でもある。

 私は初心者なので、実際に交差点でどう走ればよいのか迷ったこともあり、この本は疑問の解消に大変役に立った。
 「自転車に乗ってるけど、なんとなく歩道を走っている」という人は今すぐ読むべき。
 無論ママチャリに乗っている人もだ。

 あ。
 自転車乗りながら携帯電話操作して逆走してくる人への対処法も載ってます。

2012年2月7日火曜日

『SFが読みたい!2012年版』が予約開始されてた

近所の本屋で売ってくれないので今年もAmazonで予約。



 いいね、SFが読みたい!
 これ読むと、去年のSFをなんとなく総括できた気がしていいんだよ。
 評価の高い作品で読み落としてたのもチェックできるし。
 僕はこのシリーズをかなり最初の頃から買ってるハズなんだけど、なぜか家にバックナンバーがない。
 捨てられたか!? 親に捨てられたのか!? もしくは姉か!?
 多分、揃えてあると過去のSFを振り返る時に便利(そんな時がそうそう来るとは思えないけど)。
 ああ、過去のSFを振り返りたい時はこれも便利。


 まあ大森望さんの評価が信用できるかどうかは置いておくとして、何がいつ発売されたかを調べる時にとっても便利。
 発売日数日後、近所の本屋さんに平積みされてたけどまったく減らんかったばい。
 みんなAmazonで買ったのか、ここにSFファンはいないのか、みんなディープすぎてこれを必要としていないのか……。
 謎が深まったところで、おしまい。