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2013年8月4日日曜日

『風立ちぬ』のネタバレ感想 追加

 二郎は戦争に賛成している訳ではない。
 もちろん兵器が作りたかった訳でもない。
 そんな二郎の行為を肯定するなら、もっと巧くやる方法がいくらでもある。監督はあの宮崎駿さんだ。できないはずがない。
 もっと無邪気なキャラにすればいい。二郎に笑わせればいい。大声で主張させればいい。もっと彼が報われるラストを作ればいい。見ている者が二郎に共感できるような演出をやればいい。
 でも、宮崎監督はしなかった。
 二郎自身に「戦争は良くない」なんて語らせない。
 友人の「俺たちはいい飛行機を作りたいだけだ」に頷くことすらさせない。

 絵コンテを読むと、ラストで菜穂子と再会した時、二郎が笑顔になるカットがあった。でも、そこには大きく×印が書かれ、欠番とされていた。
 二郎を肯定するなら、このカットを切るはずがない。
 僕は宮崎駿監督を『信頼』している。
 『風立ちぬ』は、失敗作でも駄作でもない。

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